共通した漢字表現がある「中国語」と「日本語」。しかし、たとえ同じ漢字を使用していても、「中国語」と「日本語」は似て非なるものであり、意味が同じとは限りません。また、中国語の大きな特徴として例えば4種類の声調(高低アクセント)があり、声調を間違うと全く異なる意味になってしまいます。
また、中国語の表記には「簡体字」と「繁体字」の二種類の表記が存在します。国や地域によって使われる字体が異なるため注意が必要です。一口に中日翻訳と申しましても、字体によりさらに細分化されます。
中国語翻訳をする上でなぜ特徴を理解しているプロの翻訳会社に任せた方が良いのか。今回は中日翻訳の特徴と注意点からご説明いたします。また最後に、おすすめの翻訳会社FUKUDAIを紹介しておりますので、ぜひ最後までご一読くださいませ。
中日翻訳とは

あらゆるビジネスシーンで様々な中国語の文書が見られるようにつれ、近年、中日翻訳の需要がますます高まっています。中日翻訳とはごく単純に申しますと、中国語で書かれた文書を日本語に訳すことになりますが、ただ辞書や機械翻訳を用いて日本語への置き換え作業を重ねても、中日翻訳にはなりません。なぜならそのような言葉の置き換え作業においては、中国語と日本語の言語間における様々な違いが往々にして無視されるからです。その違いとは一体何なのでしょうか。
中日翻訳の特徴
「漢字」は元々中国から輸入されたものであるため、中国語と日本語は共通した漢字表現があります。この点が中日翻訳は他の言語の翻訳とは異なる特徴を持っていると言えるでしょう。しかし、それゆえ漢字への先入観から安易に判断してしまったり、訳したものが不明瞭など、様々な問題にぶつかることがあります。
中日翻訳の注意点

中日翻訳をする上で生じる様々な問題とは一体何なのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
1.中国語の数字表記
・中国語の「1万斤」
自動翻訳では「10000匹」となりますが、正しい訳は「5トン」。一見すると1万を指しているのかのようですが、中国語では“斤”は民間通用単位で、500グラムを指します。「1斤」が「500グラム」なので、「100斤」が「50㎏」、「1万斤」は「5トン」となります。
・5万万
自動翻訳では「5000万」となりますが、日本語では「5億」になります。“万万”は日本語で「億」を表す単位であり、“万”をそのままの意味でとってしまうと、数字が大きく変わってしまいますね。
・1.5千万
自動翻訳では「1500万」となりますが、日本語では「1億5000万」になります。また「千万」という中国語は副詞の「ぜひとも」「くれぐれも」という意味があるので、惑わされないよう注意が必要です。
・翻了4番
自動翻訳では「4倍にした」になりますが、日本語では「16倍にした」となります。“翻了~番”はつまり、2の何乗か、ということになるので、「翻了4番」なら「16倍」ということです。
中日翻訳における数字表記の例をいくつか挙げましたが、正確さが求められる契約書などではしっかり確認が必要で、巨額な契約だと数字一つにしても安易に考えないよう細心の注意が必要です。
2.中日同形異義語
同形異義語とは、同様の漢字構造ではあるが、意味が全く異なるものを指します。中国語、日本語ともに共通した漢字表現であることから、中日翻訳において大きな誤解を生みやすい場合があります。
・大家
中国語では「皆さん」を意味するのに対して、日本語では「大家さん」の意味します。
・可憐
中国語では「可哀そう」「気の毒だ」と同情の気持ちを生じさせる言葉ですが、日本語では「可憐な」というかわいらしいさま、愛らしいさま、守ってあげたくなるような気持ちを起こさせるさまであります。
・愛人
中国語では「夫・妻」といった配偶者、または「恋人」を意味するのに対して、日本語では「愛人」という意味になります。中日翻訳の際に、誤訳してしまうとこれは大きな問題が生じてしまいそうですね。
・走
日本語では「走る」という意味になりますが、対して中国語では「歩く」、また場合によっては“他走了”などと用いて「亡くなった」という“死”を意味する場合もあるため、文章からニュアンスを読み解くことが非常に重要です。
・清楚
中国語では「明らかである」、「よく知っている」という意味になりますが、日本語では「飾りけがなく、清らかなさま」という意味になります。
3.慣用表現の違い
直訳では意味を理解することが難しい慣用表現ですが、中国語の中でも慣用表現は表現力に富み、簡単な言葉で様々な意味を表すことが出来ます。中日翻訳の際にもよく目にする慣用表現をいくつか見てみましょう。
・伤透脑筋(意味:頭を悩ませる)
公司面临的问题让总经理伤透了脑筋。
(会社が直面している問題に社長は頭を悩ませていた。)
・大海里捞针 (意味:大海原の底から針を探す)
“海底捞针”(海の底に落ちた針を手ですくい取る)とも言い、極めて困難であることの比喩として用いられる言葉です。人や物以外にも、膨大な資料の中から必要な情報を探し出す場合にも使えます。
海上搜寻客机,如何“大海捞针”?
(海上で(墜落した)旅客機を捜索するとは、どのようにして「大海で針を探し出す」のか?)
・空城计 (意味:空城の計(自分の弱みを隠して騙すこと)、もぬけの殻)
諸葛孔明がわざと城門を開き、もぬけの殻の城内に伏兵ありと思わせ、優勢な敵の軍隊を撤退させた故事からきている慣用表現といわれています。
北京春节再现“空城计”
(北京の春節はもぬけの殻のようだ。)
お正月のため故郷に大勢の人が帰省し、人が少なくなり北京の街は人がガラガラになった様子を表しています。
以上のように、慣用表現は単語をそのまま翻訳しても意味が通らないことが多いので、知識を持っておくことが中日翻訳の際に重要です。
中国語のビジネス習慣を知っておこう

中国には「入乡随俗」ということわざがあります。「郷に入れば郷に従え」を意味しますが、日本の商習慣をそのまま中国人とのビジネスに適用すると問題が生じることもあります。相手のビジネス習慣を知り、相手を尊重した態度でビジネスを進めることが成功の鍵と言えるでしょう。そのために、最低限のビジネス習慣を知っておくことは重要です。また中日翻訳をする際にも、文化的背景や考え方を知っておくことは原文理解にもつながります。
・スピード感のある仕事の進め方
日本人はプロジェクトを進める過程で、上司やその他関係者に確認したり、承認を得たりしながら一つ一つ丁寧に仕事を進めていきます。一方で中国人は個人で責任を負い、決断を下していくのでスピーディに物事が進みます。
・中国人の考え方
中国には「求大同、存小異」、つまり「まずは大枠を決めて副次的なものは保留する」という成語があります。それ故、中国人は交渉の際にひとまず大枠で物事が一致したならば、細かいことは後回しにするという傾向があります。一方で日本人は、細部まで正確に物事を詰めてから大きな合意へと進めていくので、理解していないと戸惑うかもしれません。上述のスピーディに仕事を進めていくのも、この考え方からきているのでしょう。
・中国人は相手の面子を重んじる
中国は「讨价还价」といって値段交渉をするシーンを多く目にします。例えば市場での買い物で、「負けてちょうだい」と値段交渉してきた買い主と何度か(時には激しい)値段の駆け引きをした末、売り主は「その値段だと本当は商売あがったりだけど、仕方ない。わかったよ」などと実際はそうではなくとも時には大袈裟に自分がこの値段交渉に負けたかのように振る舞い、買い主の面子を立てて値段の駆け引きを終えるようにすることもあります。このように、自己主張が強く主張を貫き通すイメージがある中国人ですが、相手に恥をかかさぬよう「面子」を重んじるという最低限のマナーがあります。またこれら中国のマナーを知っているということが、正確な中日翻訳の強みとも言えるでしょう。
・バラエティーに富んだ肩書き・役職名
中国語の肩書き・役職名は実に豊富です。中日翻訳の際に知識がないと困惑してしまうことも少なくありません。企業関連の肩書き・役職名でしたらその企業のオフィシャルサイトにアクセスし、サイト内の表記に従います。英語のサイトしか存在しない場合は、英語の表記を参考にして翻訳します。
主な肩書きの中日翻訳は次のようになります。
董事长(日本語では董事長)、董事(董事、取締役)、总经理(総経理、社長)首席执行官(CEO、ゼネラルマネージャー、GM)、总栽(総裁、CEO、ゼネラルマネージャー、GM)、主管(スーパバイザー)。中日翻訳で訳語が複数ある場合は、原文を確認し背景を理解した上で最適な訳語を選びます。
中日翻訳者の要件

様々なスキルが求められる昨今、中日翻訳者の要件として特に求められるのは、①自己啓発②専門知識➂語学スキルなのではでしょうか。
中日翻訳では当然、高い語学スキルが求められますが、それだけではアプリや機械翻訳とはさほど差異がないと言えるでしょう。中日翻訳する際は原文の語句の意味をしっかり調べ、その概念やニュアンスを把握することが大切なのは当然ですが、さらには厳密に読み込むことが重要です。この時に普段から自己啓発として中国の文化的背景や情勢を吸収しておくことが、原文の意図を読み解く際に役立ってきます。
また中日翻訳は実務翻訳、出版翻訳、映像翻訳と大きく3つに分かれますが、それぞれ翻訳の際に必要な専門知識が異なるため、語学スキルのみならず高度な専門知識を兼ね備えておくことも必要です。
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