学生時代の友人のことを、参考としてご紹介したいと思います。
今は会社で働いていますが、以前中国語の字幕翻訳を一時にしていました。青春時代から中国語の翻訳家を目指して、通信制の外国語大学に通いました。4,5年間の勉強を続け、文学系の翻訳について一通り習得してから、制作会社の入社試験を受け合格しました。高い倍率の採用だったので非常に嬉しく、意気揚々とはじめました。
研修期間が半年あり、その後暫く音沙汰がなくなり不安になりましたが、数か月後に中国の衛星放送に係るドキュメンタリー番組の字幕翻訳の仕事を受けました。当時は今のような便利なソフトがなく、旧式なストップウォッチで台詞を測るという作業までやらなければなりませんでした。
また、ドキュメンタリー番組だったせいか台本が未完成のまま送られてきて、台詞の聴き取りを自分でやらなければならないこともありました。宅配での受け渡しで、3日で1本を仕上げ、納品日にはもう次がポストに届いていているという日々でした。会社に勤めながらの2足のわらじだったので、睡眠不足でフラフラになりました。でも、夢中に翻訳を取り込んで、嫌になることは一度もありませんでした。
制作会社の担当者も若い女の子で、感じがよく有り難かったです。制作会社に出向いて、現地で翻訳することもありました。個室まで用意して頂き、ドアに「○○さま」と書かれていてくれ感動しました。
順調に字幕翻訳をしていた、そんな時に長女を妊娠しました。疲労が重なって体調が崩れて、このままではお腹の子に悪いと思いながら、途中で辞めました。それ以来、ずっと会社勤めをしていて中国語の翻訳の業界には戻れないままです。ちょっと残念ですが、一度でも夢だった仕事につけて幸せでした。
以上、いろんな仕事の人生がありますが、如何でしょうか。
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